ヴィンテージソファの張り替え

Børge Mogensen(ボーエ・モーエンセン)三人掛けソファ3P sofa
以前デンマーク製のヴィンテージソファのフレームだけを購入してシートとクッションを新規に制作する計画を立てました。アイテムは1950年代にボーエモーエンセンがデザインしたもの。
北欧ヴィンテージソファのフレーム,Børge Mogensen
気に入ったポイントは構造がデザインに取り入れられていること。アンティークアイテムのメンテナンスは、家具の内側の造りまでよく観察します。人目につきづらい構造の部分にも作り手の想いのようなものがあり、僕はそこにもモノの魅力を感じています。ですので、一般的にデザインするときに隠すような部分がデザインの中に取り入れられていると、デザインした人のものづくりの大らかさを感じ、好感が持てます。
ソファの張り替えします。
ウレタンシート部分も何もないフレームだけの状態だったので、ウレタンのサイズや厚み、硬さを決めることから始めました。個人的に座り心地は沈むような柔らかさより硬い座り心地が安定していて好きです。なので、シートの芯は硬いウレタンでつくり、フレームよりどれだけ大きくするかは手持ちのクッションを置いて身体への当たり方を確認し、図面を書いて寸法を出しました。
生地見本から色を選ぶ、椅子の生地張り替え
生地の種類と色選びは椅子やソファの張り替えで一番楽しいポイントです。好きな色があればその色で、インテリアに合わせるなら置く場所の印象に合わせて色や生地の質感を決めていきます。お客さまから椅子の張り替えを頼まれるときは、好みや家具を置きたい場所のインテリアの話を伺って、客観的にアドバイスするようにしています。
Kjellerup(ケアロップヴァヴェリ社)デンマークのインテリアファブリック 張り替えで選んだ生地は、綿とウールの混合織りの生成り色。この生地と色を選んだ決め手は、今までそこにずっとあったかのように思えるものにしたかったことと、自分自身が座ってその中にいて違和感がなさそうだと思えたことです。ソファに個性をもたせた張り替えも楽しいですが、面積が大きい家具はできるだけシンプルにして、それに合わせる調度品で季節感や個性をプラスすれば、気分でイメージが変えられておすすめです。 ストライプクッションカバーの制作,ソファ用クッション ソファのクッションを同じ生地で制作 プレーンな見た目のソファに、クッションを合わせてバランスをととのえます。同じ生地の種類から生成りとカーキのストライプを選び、ソファのフレームのデザインに合わせました。 ソファのクッションで季節感を作るための土台下地 クッションの裏面は、シートで使った生地の余りを活かしています。キリムのクッションや、ブランケットなどで色が増える場合は裏面を表にして、プラスするアイテムがアクセントになるようにしました。

インテリア全体を考えるのもバランスだと思いますが、ソファひとつ置くにもその中にデザインのバランスが含まれていて調和を考えていくのも張り替えの醍醐味です。座面のみが生地になっているダイニングチェアは比較的気軽に張り替えができるものなので、座り心地や気持ちの切り替えにぜひ試してください。

問い合わせはこちらから。気軽にご相談ください。

ソファを置いたことで、いつも時間の合間合間に急いで読んでいた本も、「本を読みながら過ごす時間」を設けようと思える気持ちに切り替わり、良いインテリアづくりができました。 ボーエモーエンセンソファ,デンマーク製ヴィンテージ