陶芸家 故金あかりさん Akari Karugane 『花と器』

多治見市にアトリエを構える陶芸家故金あかりさん
絵画の中から取り出したような、幾つもの色が重なった故金(かるがね)あかりさんの器や壺。昔の土器を思わせるようなおおらかさがありながら、繊細な色使いや肌触り。
故金あかりさんの花器フラワーベース
現代の暮らしにも溶け込みながら長い時間をともにしてきたような風合いは草花と合わせた時にそれぞれがより際立つ良さがあります。

10月の企画「花と器」用に花器の制作を依頼している陶芸家 故金あかりさんの作品づくりとそのルーツを辿りに暮らし相談デスクチームで7月多治見まで訪ねてきました。
多治見市 新町 商店街 陶芸
大学で工芸を学んだあと、多治見市陶磁器意匠研究所でさらに陶芸を学び、卒業して2年。そのまま多治見市に残り作品づくりをしている故金さんの工房は商店街の中にある古い商店をリノベーションした建物。

目の前には八百屋さんがあったり、建物の奥には昔の和室が残されていたりとどこか温かみを感じる場所。「工房にいて商店街のお店の方に声をかけてもらうこともよくあります。知らない人に対するウェルカムな空気感が好きです。」と多治見への思い入れを話してくれました。

学生時代、同級生に留学生がいたこともあり、海外文化に触れる機会が多かった故金さん、すでに国内外問わず展示の機会は広がり、国内の仕事も海外の仕事もフラットに取り組まれている印象です。
akari karugane インタビュー
もともと古いものがとても好きと話す故金さん。いくつもの色が重なった風合いのある器はローマングラスからインスピレーションを受けています。

独自の色づくりからはじまり、経過したような立体感ある風合いは、「色を重ねて育てていくようなイメージでつくっています。壺の素地も色として活かしながら色を重ねているので、奥行きを感じるかもしれません。」とのこと。

ひとつひとつ感触を確認しながら丁寧に仕上げていくなめらかな肌触りは、風合いと日常をつなぐ工程。空間に溶け込む良さはそのような細かな心遣いの中から生まれてくるのかもしれません。

今回La.montagneの下山さんが草花を活けるための花器について見映えや使い勝手をお伝えし、故金さんの初となる花器をテーマにした作品が登場します。
故金あかりのランプシェード
REFACTORY antiquesからはランプシェードをお願いしています。色が重なった立体的な風合いは、灯りの中でより立体感が増して素敵そうだと思っています。暮らしの中でオブジェのように佇み、機能する照明はきっと過ごす時間や空間をより豊かにしてくれそうです。

『 花to器~Flower and Base~ 』

日程 _ 10/7(土) 11:00~18:00

場所 _ REFACTORY antiques