11/19発売の&Premium特集「住まいを楽しむ、暮らし方。」で家づくりの工夫や暮らしの考え方を取材してもらい、巻頭特集にもして頂きました。
古い借家ですが10年近く住み不具合も多いので、ただそのまま修繕するだけではなく、直すうえでどのような空間づくりをしたいのか?と考えながら、新たな暮らし方の工夫を施してきました。
この借家のサンルームも暮らしの中で魅力的なスペースになりそうだと、物件の魅力の一つでしたが、築50年近く経っているその光景は決して味と言える範囲のものではありませんでした。
しばらくはそのままの状態で暮らしていましたが、去年思い切って修繕工事をする事に。
養生と作業灯の中で暮らす時間は、自分にインスピレーションを与えてくれるような一時で、作業灯のもとで暮らし方のプランを考えたのも良き思い出です。
リフォームする際に心がけている事は、大きく変えすぎない事。気に入った部分を活かしながら、そこに新たな用途や使い道をプラスするくらいの感じでリフォームしました。ガラス屋根の工事では、既存の状態よりも突き出しを長くして、雨でも濡れずに通れるくらいにした事と、横に伸ばし、ガラス屋根の下で洗濯物が干せるようにも。また、熱が籠りやすい感じだったので、換気扇も新たに設置しました。
僕は設計をするわけではないので、いつもその場で人の流れと場所の居心地を考えながら構築的に工事をしています。
寝室のリフォームも、雨漏りをきっかけにする事にしました。
雨漏り箇所を屋根の上と下から修繕して、クロス張りだった天井を屋根裏のような雰囲気にするため板張りに。床材は古材を選択して、荒々しさを自動鉋で少し削り、削った跡をさらにエイジング加工をしました。乱尺ですが、できるだけ幅の広いものを選び、土足で出入りしているような空間の床材を目指しました。きっちり整っているより、ちょっと粗さが残り、隙間や目地が適当の方がカジュアルな空間になり、居心地が良い気がします。
生垣を取り払い、代わりに植えたオリーブも少しずつ成長してくれ、今では程良い環境との曖昧な境界線となっています。育みながら少しずつ心地よくなっていくような空間づくりやもの選びは楽しいです。
