お庭のリフォーム 「自然を育む暮らし方」

お庭のリフォーム、自然を育む暮らし方十数年前、引っ越してきた当時庭の状態は荒れ果てていて、伸びきった雑草や実生で大きく育った雑木、もさもさになった生垣などまずは自分で開拓して地面が見えるようにすることから庭づくりははじまりました。
中古物件のお庭リフォーム
ある程度すっきりとさせて好きな植栽をしたり、好きなオブジェを置いたり、鳥の巣箱を設置したりと、自然とつながる住まいの形を自らの家で実験をするように手掛けてきました。 毎朝仕事場に出るので家にいるじかんはそんなに長くなく、いつからか理想を描いていた庭の形は後まわし、気が向いたころには雑草の手入れで手いっぱいになり樹木の剪定や造作をすることまでなかなか気持ちがまわりません。
お庭のリフォーム植栽
それでも植物や自然は大好きで、季節が巡る自然の変化を家の中で感じ取れる暮らしは、心を穏やかにして和ませてくれます。 去年の秋ころ、前から親交があったBROCANTE の渡邉さんに相談して庭づくりのリフォームと今後自ら手掛けていくためのきっかけづくりをお願いするとともに、気候のよい季節暮らし相談デスクへ参加してもらうことを約束しました。
ガーデンプランニング≪BROCANTE(ブロカント)設計の渡邉さん
BROCANTEさんの庭づくりは生活の一部にある、暮らしに身近なフランスの庭づくりに刺激を受け、その考えを日本の暮らしにも合うように活かしています。そこに住まう人たちの生き方と自然をつなげ、土地柄の風土にあった考えを無理なく馴染ませた自然な庭づくりの施工事例が数多くあります。
住まいを楽しむ暮らし方 &premium
ゴールデンウィークのような連休があるとき、どこか1日はお庭や植物の手入れをしたいなと思います。築50年建つこの家に引っ越してきたとき、庭にはすでに成熟した木々があったことはここの家がいいなと思ったポイントのひとつです。
お庭舗装やり直し
いいなと思っている部分を活かしながら、手入れをしたり維持したりすることも楽しいじかんですが、長いあいだ雨風の影響など受けてきた庭は舗装がガタガタで玄関のまわりに水たまりができたり、機能としてはいまひとつ。
僕としては今の雰囲気は大切にしながら、あるものを活かしてその中でこれからの生活にも作用する住まいとつながる庭づくりがしたいと考えています。暮らしの一部になるような庭の居場所をつくりたいと想像はできますが、好き勝手にいじってきた庭は、この先よくしていくにはどこから手をつけていいのかわからなくなってしまうのは、僕だけではないと思います。 さいしょここの庭に訪れたときの新鮮さも薄れ、自分がよいと思っていた雰囲気の整理と答え合わせをBROCANTEさんにお願いしてお庭づくりのプランニングとこれから庭仕事がしやすいようにきっかけづくりをしてもらうことにしました。
brocante seeding tokyo ガーデンプランニング 庭にはもともと大量の川石や平板、レンガなどが使われていて、それらの雰囲気は好きだけど不陸はガタガタで雑草などの管理もしずらいので、いったんそれらを掘り起こし、整え敷きなおす作業からスタートしました。

この川石はこの辺りではよく使われている名栗川の石で、昔からある家のまわりの塀などでよく見かけます。外来の素材もたくさん素敵なものはありますが、主となる材は在来のものを活かしながらお庭のリフォームを進めていきます。

じかんが経った場所をリフォームするとき、不便になってしまった機能は改善したいですが、今まで時を育んできた魅力はそのまま継続して過ごしていきたいと考えています。

あらたに手を加える必要のあるところには、不自然にならないように経年変化した素材や、その場所に似合う風合いのものを選ぶようにしています。

そこに今住まう人の個性がプラスされていけば、成熟された趣ある庭の風情はそのままに、より自分と自然が身近になる庭になっていくと思っています。そのようなプランは心の中ではいいなと思っているけれど、なかなか具体的なイメージは沸きずらいものです。

いいなと思っている雰囲気や素材も使い方ひとつで和風寄りにも洋風寄りにもなったりします。また生活するのに使い勝手が良いかどうかや雨が降ったり水が流れたりすることをよんで施工を進める作業も素人ではなかなか考えが及ばないものです。
庭の生活導線や、植栽エリアの地形づくりが完了したらここからようやく庭の景色をつくる植栽がスタート。 陽の向きだったり、見える景色のバランスを考えながら植栽の配置を決めていきます。豊富な知識があるからこその多様な植物は、きれいな色のグラデーションをつくり、暮らしにも作用している植栽は素人の僕にはわからなかったプロの技。 手際よく配置決めと植え込みを進めていってくれました。 もともと成熟した木々があった庭でしたので、その木の種類や特性を調べてこれからの管理を引き継いできましたが、自らが住みはじめてからシンボルになるような木はまだ植えてきませんでした。ちいさい頃から思い入れのあったザクロの木を植えたいと思ったので、相談したところ樹形もサイズも素敵なものを見つけてきてくれました。 ザクロの花 今までそこに植わっていたかのような自然な風情で、またこの機会にシンボルツリーを植えたことでより愛着がわく庭へと変化。 毎日自分の中のモチベーションだけでは続けていけないことでも、まわりにいる人の協力や理解を受けることで軽快な日々が生まれていきます。お客さまや関わりある皆さまから僕も刺激を受けて今までそのままになっていたことを進めることができています。店舗で毎月開催している暮らし相談デスクでは、季節に合わせた日々の暮らしにプラスできるお買い物ができたり、相談ができたり、体験ができたりと心の中に持っているいいなを刺激して、日々の活力につなげるような企画を目指しています。5月の「暮らし相談デスク」ではそんなBROCANTEさんをお招きし、庭づくりのアイデアになる空間を使ったインスタレーションと、リフォームした庭を説明するオープンガーデンを開催。5/20(土)、5/21(日)の2日間の拡大版です。ぜひこの機会に自然とつながる庭づくりの参考に気軽にご来店ください。

設計士さんのアドバイスを受けて今の暮らしを見直すきっかけづくりをする方や、セレクトされたお花を持ち帰って飾る方、週末の食卓をゆたかにしてくれる食器えらびや食材えらび、また日々使っているもののお手入れや修理相談など、より快適に気持ちよく過ごしていくためのヒントがたくさんあります。

5月は自然を育み、自然とつながる、そんな楽しみを皆さまといっしょにつくっていきたいです。よろしくおねがいします。

暮らし相談デスク
「自然を育む暮らし方」
5/20(土)・21(日)の2日間

自然を育む暮らしの相談
seeding

住まいやインテリアの相談
建築士/ 独楽蔵

季節の草花/ lamontagneflower

器コーディネーター/ 伊藤 唯

まいにちのパン/ パンピーポー(土曜日のみ)

革と暮らし/ ito leather studio