天童木工のヴィンテージキャスターチェアはオフィス家具を感じさせないモダンですっきりとしたデザインのデスクチェアです。アンティークや古道具でも工業的なものをインテリアに取り入れてコーディネートを楽しみますが、このくらいの塩梅の商業家具ならインテリアでも使いたくなります。
背にチークのプライウッドが使われたこちらはそんな家具の中でも特別感のあるモダンヴィンテージ。
キャスターもスチールとゴムのものではなくて、当時グッドデザインを獲得したプラスチックのインテリアに溶け込むタイプのものが使われています。
そのままでも十分格好良い椅子ですが、座り心地を左右するウレタンは経年変化をしています。現代の椅子に使われるウレタンは性能も上がりよりへたり込みが少なくしっかりと反発するものがあるので、もし座面が切れてしまっていたりシートの汚れがひどい場合は、心機一転張り替えをすれば、今にないデザインのものを、新品のような座り心地で使い続けることができます。
ハーフパディングは、すべてを生地で覆うのではなく、座面部分のみ生地を張る椅子張りです。フリッツハンセンのセブンチェアもハーフパディング、フルパディング共に生地を張ることができて、座面が冷たく固い感じがして気になるようであれば生地張りに変更することもできます。
ビニールレザーもヴィンテージチェアにはよく似合いますが、インテリアに合わせて椅子の張地を選べるなら、温かみを感じるファブリックもおすすめです。
今回の張り替えではウールの起毛を活かした織りのデンマークの生地を使用しました。REFACTORY antiquesでは、国や年代を問わずよいと思ったプロダクトを目指すイメージに合わせて仕立てを進めていきます。「何風」でもない、でも突き抜けすぎないちょうどよい塩梅。和風が強ければ洋風を足してみたり、洋風が強い場合はシンプルにそぎ落としたりと、ものを中和させていくようなイメージで仕立てを進めて、インテリアと調和する家具にしていきます。
REFACTORY antiquesの色は、そんな部分にあるのかもしれません。店頭で販売している家具や雑貨も1点ずつ手入れをしています。パッと見たときの存在感はそんなにないかもしれませんが、使い手の心地とコミュニケーションをしていくような家具は使っている人も、それを見た人も心地よさそうだなと感じてもらえるとうれしいです。